tabibito9tabitoのブログ

旅人のタビトによるエッセイ

愛してやまないモノ

ネチネチ
ヌタヌタ練られて重くなったもので無く、

冷たいバターを
小麦粉の中で
      ただ切り分け続けたような種に

わざと表面に凹凸を付けて
            焼斑のでるようにして、

ギリギリ小麦粉が
     バターで繋がれているようなスコーン。



絶対腐らないだろう程の
           ラムの香り立つ、

卵と
バターと
ミルクを
   小麦粉が
   ギリギリ
     固形物として成り立たせているような、

中心は
  カスタードや
  プリンから
        変身してきたようなカヌレ。



強力粉が
    ギッシリして、

表面に
 ツルツルの
  古い日本家屋の
   良く出来た三和土みたいな光沢のでた、

小麦の甘さを
    塩が助け出した地味だけのベーグル。



持ち上げれば
   口まで届かないんじゃないかという程の
     ひび割れから今にも
 ホロホロ
    美味しい所が
       落ちてしまうような
               ダックワーズ。



歯を入れた瞬間から

         ギーと

             音がするような、


噛み切られる寸前で
圧縮されてそれが

         プツッと


         呆気なく


        終わるような、





クリームなど


     洒落たモノ


           の挟まりもしない
                  マカロン。



  アーモンドの側に   粉糖を置いて


       一晩寝ている間に
          勝手に
   クッキーになるんじゃないかという程の


          素朴で
    手の入れられていない味のする、


口に入れた瞬間-その魔法が解けて-夢から覚めて-
 最早-形を保てなくなって-粉に戻ってしまう



ブールドネージュ。