tabibito9tabitoのブログ

旅人のタビトによるエッセイ

雨から逃げて


雨の続く日には
  レインコートを着て、
      電車にでも乗りたい。




いつもの路線、
いつもの時間でも、
       きっと違って見えるだろうけど、


それでも
できれば、
    まだ行った事の無い方角へ向かう、
         それも混雑しない時間が良い。




いったいこの人達は
         何処へ
         何しに行くのだろう、
         何故この時間なのか、




そうやって思いを巡らせ、
        観察し、





それを悟られないように
      車窓からの景色に
        心囚われているかのように
                  演技して。





        そのうち
      それにも飽きたら、





鞄から
       文庫本
             でも取り出して




   読んでるフリでもすればいいし、



        そのうち



   本に引き込まれてしまってもいい。






終点にでも着いたなら、
 その本を慌てて脇に挟むでもして、
 忘れ物をきょろきょろ確かめて、
 左手に傘、
 右手に鞄を引っ掴み、

ホームに降りたら
 帽子を深く被りなおして
   誰かに見られた気恥ずかしさや
   見知らぬ者独特の空気でも隠すように、




  人目を避けて
        次ぎに乗る電車でも考えて。



そうやって
     逃亡者かなにかのように
             雨から逃げてみたい。